ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
Sunset Bar & Grill(サイパン・北マリアナ連邦)〜後編〜 2003/05/05
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夕日が完全に沈み、ゲストが充分これを堪能し終えた頃、生バンドの演奏が始まっ
た。メンバーは5人。全員がフィリピン人だろう。当然プロだとは思うが、10人以下
のゲストを前に演奏しているのだから、名も知れない超マイナーなバンドのはずだ。
最初は歌無しのジャズの演奏が数曲続く。真ん中のサックスがその位置からしてお
そらくボーカルだろう。▲一番左のギターが紹介がてら喋りだした。バンドのリーダー
だった。「いかりや長介」を思い出すその風体は、お世辞にも旨いトークとは言えな
かった。▲予想通り、サックスのメイン・ボーカルの男の歌は上手かった。風体は
「鈴木雅之」を想像してもらいたい。その後、メンバーが順番にメインで歌い出した
が、ゲストにパンチを食らわす歌い手はいなかった。特に「いかりや」ことリーダーの
歌は素人以下だった。▲気を取り直して「鈴木雅之」が2曲ほど歌い直して、彼らは
次のステージへと急いで出ていった。▲ホテルのルーム・チャージへの伝票にサイ
ンをすると勘定は$24也。日本の居酒屋チェーン並の料金であったが、景色と演
奏の代金は日本では一体いくらで換算されるのだろうか。ゲストを心の底から楽しま
させる心憎い演出に、どうしても足を運ばせる海外のエンターテイメント。海外どこで
も遭遇する我が同胞日本人。だが、このようなローカルな場所ではお目にかかれな
いのは不思議である。もっとも日本人がうじゃうじゃいるところは私の方で行くのを避
けるが。
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