ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
今どき健在、有鉛ガソリン(ゴールドコースト・オーストラリア連邦) 2003/09/14
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私が子供の頃、たまに行った、日曜日のドライブ。日曜日に開いているガソリンスタ
ンド(以下GS)も珍しかったが、その当時、必ずGSで聞かれたこんなセリフ。「有鉛
ですか?無鉛ですか?」。今で40才くらいの人を境に、知っている人は知っている
し、知らない人にとっては何のことか想像もつかないはずである。▲ 有鉛・無鉛の
差は、ガソリンに「鉛」が含まれているか、否か。含まれていれば、オクタン価が高い
ということで、今でいう「ハイオク」もしくは「スーパー」。一方の無鉛は今でいう「レギュ
ラー」のこと。当時(昭和40年代)の車はまだ性能が低く、特にボロい(古い)車はよく
ノッキングした。このノッキング解消に「有鉛」ガソリンは抜群の効果があったのだ
が、何せ凄い公害をまき散らす調査結果に。昨今のダイオキシンやディーゼル規制
などとは桁が違うくらいの有害物質だった。そんな規制のあおりを受けて、各石油メ
ーカーは研究に継ぐ研究を重ね、「有鉛ガソリン」は「無鉛ハイオク」に姿を変えた。
昭和53年(1978年)のことだった。▲ さてオーストラリア。滞在1ヶ月目に車を購入。
ニッサン・ブルーバード1973年産だった。前のオーナーが言うには、「ガソリン(オー
ストラリアや英国では”ペトロール”と言う)は”lead”を入れるべし」。この「lead」(”レッ
ド”と発音)は「鉛」の意味。つまりは「有鉛」。話によれば、1978年産の車を境に、そ
れ以前の車には「lead」を入れないと、たちまちエンコするらしい。それ以降の車には
「unlead(アンレッド)」か「super(スーパー)」。ランクルなどには「diesel(ディーゼル)」
を入れる。全てのGSがセルフなので、これらを間違えると大変なことになる。余談だ
が、軽油に相当する「diesel」が一番値段が高かった。▲去年、フィリピンでレンタル
バイクを借りたとき、ガソリンは駄菓子屋でコーラの2リットル瓶に入れて、量り売り
されていた。この時も店のおばちゃんが聞いてきた。「Lead or unlead?」。まだまだ世
界には有害な「有鉛ガソリン」が普及している。「世界規模で規制しなくては意味がな
いではないか」。ところがである。日本は先進的に新技術を持って、排ガス規制の新
たな車を生産する。古くなった車は、それでも世界の何処かで安く利用される。利用
される以上、公害問題はそう簡単には解消されないのである。
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