ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です

 
宣伝村のある不思議な国・北朝鮮(半門店・朝鮮民主主義人民共和国) −その1− 2003/03/02
最近の報道番組はみな「北朝鮮」ばかり特集している。「何を今さら」と私は考えてい る。なぜなら北朝鮮という国は太平洋戦争で朝鮮半島が北緯38度線を境に南北で 分断以降、重いベールに包まれた謎の国家として存在しているからである。▲私の 中学時代の社会の教科書に北朝鮮についてこんな表記があった。「金日成(キム・ イルソン)主席が唱えるチェチュ(主体)思想による世界唯一の楽園国家」と。つま り、「この思想の下では貧富による人民の格差は一切なく、人民誰もが何不自由なく 裕福な生活を送ることができる」。ということだ▲今現在、北朝鮮と日本との間に正 常な国交はなく、自由にこの国を行き来することはできない。昨年この国交を正常 化しようと小泉首相が訪朝したが、結果的に拉致問題を生みだしてしまい、以後マ スコミ等でこの国のことが頻繁に取りあげられるようになった。▲南北で分断された 朝鮮半島も元は同一人種・同一文化の一国である。敵対していても両国の首脳レベ ルが会談する必要は時にはあるわけで、その場が半門店という38度線に位置する 国境の地だ。この地を当事者両国の国民が訪れることは堅く禁じられているが、第 3国の国民はその証明(パスポート)を持参すれば立ち入ることができる。現在の一 般的な日本人はこの地から北朝鮮の領土を眺めるしか、この国を目にすることはで きない。▲私が半門店を訪れたのは今から4年前。国境の手前数十キロは非武装 地帯で、この地帯に入る段階で厳重なチェックを受ける羽目になる。強兵制でお国 を守る韓国兵士の見張り台が50mおきに設置してある光景はまさに軍事国境であ る。駐在する国際連合参加国の万国旗が冬の大陸風に翻る。バス内のガイドも韓 国側に協力する参加国に感謝の辞を述べている。が、残念ながら日本の国名は出 てこない。日本人として肩身が狭かった。−その2へ続く−




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