ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です

 
地上の楽園・ハーレム体験(マニラ・フィリピン共和国) 2003/02/23
「金融恐慌?」の欄で書き込んだマニラのスナックについてのルポです。▲マニラ滞 在2日目の夜のこと。軽く飲みに行きたいが、遠い異国の地では自分一人でどうす ることもできない。そこでホテルと契約を結んで出入りしている運転手を誘って外に 繰り出した。ホテルから彼の車でほんの10分くらいの繁華街にその店はあった。現 地時間の午後9時、店内に入ってまず驚いたのがピンクのドレスの制服に身を包ん だ女の子の人数の多さ。ざっと30人くらい。一方客はというと日本人の1グループ・ 男4人のみ。そのグループ客のテーブルに8人くらいの女の子が付き、残りの女の 子たちは別テーブルに溢れていた。▲当国において当然売春は罪となる。しかし、 比政府は外貨獲得の手段としてこの行為を暗黙で認めている。一般的なシステムで は、マニラの水商売店にはほぼ90%の割合でその手の女の子が在中している。つ まり、飲んで気に入った娘をお持ち帰りできるシステムなのだ。その料金は対娘との 交渉で決める。美人ほど高価なのは経済原則だ。それとは別に当然店のオーナー にも桶屋としての手数料を支払わなければならない。その仲介手数料みたいなもの を「バー・ファイン」といい、これは通常店のママに支払う。この「バー・ファイン」、夜も 遅くなればなるほど以降女の子を店で使う賃金が減るので安くなる。(この段落は私 の経験に基づくモノではありません。暗黒マニラを旅するに当たっての事前調査の 結果です。とはいっても旅行会社のパンフやガイドブックに載っているわけはなく、主 な情報源はインターネットです。)▲この手のスナック客の国籍は日本人が圧倒的に 多く、次はアラブ首長国連邦、韓国、台湾と続きます。まあ「カラオケ」という言葉は もはや世界語だけあって、J-POPなら何でもあるし、店の娘も日本の大ヒット曲なら アルファベットの字幕で大抵は歌いこなします。▲「ショー・タイム」の時間ということ で、30名のピンクドレスが狭い通路に一列に並んだ。ダンスを見せてくれるらしい。 「曲を歌ってくれ」とマスターに頼まれ、ステージに立つと長渕の「Run」だった。他の 日本人4人グループは皆「知らない」ということで私に回ってきたのだが、完璧に歌え た。それより彼女らのダンスが華麗で、可愛かった。さすがダンサーの国フィリピン。 ▲アッという間の6時間だった。午前3時のカンバンで店を追い出され、支払った勘 定の高さに憤りを感じて後悔するのは日本でのものと変わりはなかった。しかし、あ れだけ楽しませもらったのもフィリピンという異国であったからこそだと思っている。 今考えるとあれは夢だったのか現実だったのかと錯覚してしまうほど「楽園」にふさ わしい思い出ができた。




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