ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
Ananyana Beach Resort Hotel(ボホール島・フィリピン共和国) 2003/03/02
|
|
|
ルポという内容でもないので本来なら「メインテーマ」に書き込むべきだったが、海外
ネタなのでこちらにしました。▲難しい綴りのホテル名ですが「アナニャナ・ビーチ・リ
ゾート・ホテル」と発音します。「日本人には絶対に遭遇しません」という売り込み文
句を信じて予約を入れました。▲小さいパングラオの空港からトライシクル(サイドカ
ー付きバイクタクシー)で迷いながら約1時間。宿泊客の大半は西洋人で、噂通り日
本人は私の滞在中は皆無だった。地元のドライバーですら迷う秘境のプチホテルで
私を出迎えたマネージャーはすごい美人、一見は日本人女性だが実はフィリピー
ナ。部屋を案内した雑役の男は無愛想な奴。チップを渡しても無言で出ていった。▲
このホテルに3泊したが、さすがに秘境だけあって次第に退屈感が増してくる。半日
ばかり沖に出てみようとホテルのボートをチャーターすると、案内役は先ほどの雑用
男だった。引き潮で浮かび上がった白砂の島で、ランチボックスを開ける。無人の島
に居るのは2人だけ。自分一人で食べるわけにもいかず、ビールとサンドイッチをこ
の男と分けた。▲結局ここでこの男と2時間近く話し込んでしまった。彼の歳は25才
くらいだったと思う。妻と子供たちがいて、元は漁師だったが、今はホテルに就職で
きてラッキーだと言う。10才の時に父親を海で亡くし、以来家族を支えてきた。ひと
り2本の缶ビールは増して私たちの口を軽やかにしてゆく。仕舞いには客の前でホ
テルに対する愚痴もでた。「ホテルのオーナーは儲けすぎだ、俺の給料は少ないの
に」や「あんなレストラン(ホテルの)のシーフードが旨いなんて言ってる奴の気が知
れない、鮮度は最悪だ」などなど。▲最初の印象と違って根はいい奴だった。残念な
がら今はもう彼の名前を忘れてしまった。けれども一枚だけこの写真を撮っておいて
よかったと思う。嫌々ながらの彼と無理矢理撮った無人島でのスナップ。
|
|
|
|