ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です

 
忌々しい輩たち・空港職員(マニラ・フィリピン共和国) 2005/11/06
 折角の楽しい海外旅行の気分を一瞬のうちに台無しにする話です。舞台は、ニイ ノ・アキラ(マニラ)国際空港。これまで楽しく過ごしてきた旅の最後を締めくくるに は、あまりにも残酷な光景がいまだに在るのですね。
 各国に入国する場合、普通は出入国の申告書はセットになっていて、入国の際に 両方とも記入します。出国のカードは切り離されて、パスポートにホッチキスで留め てくれるので、帰国時は楽チンなものです。
 ところが、フィリピンに入国の際は、出国カードは帰りの空港内でしか用紙を貰え ません。出国手続きの直前に、用紙の空欄箇所を埋めなくてはならないのです。前 回、3年前にマニラから帰るときは、やたらそんな用紙の記入を手伝いたがるお節 介な輩に付きまとわれてしまいました。当然、そのお礼としてチップを強要されまし た。
 今回は、そんな輩とも出くわさなかったので、一安心するのもつかの間、手荷物検 査のゲートに居ました居ました。
 「マニラ、何回目?」
と、まず日本語でヒソヒソと聞いてきます。
 「2回目」
と、ぶっきらぼうに答えると、
 「チップ頂戴」
と、堂々と言ってきます。何で、こんな奴にチップを渡す義理があるのでしょうか。
 「ペソは全部使い切ったから無いよ」
と、言うと
 「円で頂戴!」
だって。
 ここまできたら、さすがに腹が立ちました。荷物検査の結果は陰性なので、チップ や賄賂というよりは明らかにタカリです。現に、大勢の客が集まってしまった時や、 西洋人にはタカりません。ひとりでゲートに現れると、ヒソヒソ声で近づいて来られま す。
 
 さてこの話、ちゃんとオチまで用意してありますよ。
 苦労して、やっとくぐり抜けた手荷物検査ゲートでしたが、この先には一切の喫煙 所が存在しませんでした。仕方なく、またゲートを逆戻りして、喫煙を楽しんだのです が、その後再びこのゲートで検査を受けなければなりません。案の定、
 「マニラ、何回目」
と、ヒソヒソ声で囁かれました。さっきの奴です。
 「100回目」
と、答えたのは言うまでもありません。




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