ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です

 
ゲテモノ料理「バロット」(フィリピン共和国) 2005/10/30
 「続・地上の楽園(マニラ・フィリピン共和国)後編 (丁) 2005/10/22」に登場したゆ で卵(ヒヨコに限りなく近い状態の有精卵を茹でた卵)についての詳細情報です。こ れの正式名称は「バロット」です。ベトナムでは「ホッビロン」と呼ぶそうです。そして、 親鳥は鶏ではなく、アヒルとの事です。そういえば、日頃口にする卵よりも一回り大 型でした。色も純白というよりは、青みががった光沢のない白でした。
 市場では山積みされて売っています。街中の屋台では、蒸籠(セイロ)で蒸かして 売っています。購入したことはありませんが、1個10ペソ(22円)くらいの値段です。
 食べ方は自由です。普通に皮をむいていって、中身を口に放り込むのが普通でし ょう。しかし、中身はもの凄くおぞましいルックスが想像されるので、やめておいた方 が無難です。中身の姿はガイドブック等でも、モザイクなしでは掲載されません。
 私は、以前のコラムで書いたとおり、暗いスナックの店内でご賞味に預かったの で、視覚の不快さまでは味わっていません。では、その時に現地の人たち(ホステ ス)が食べていた方法をご紹介しましょう。
 まず、卵の先端部を叩いて小さな穴を開けます。すかさず、中の汁を吸いだして飲 みます。天井を見るように、思いっきり頭を後ろに垂れてです。この汁がヤバイ(旨 い)です。絶妙な塩加減と、カニやエビから出るような豊かな旨味ダシを含んでいま す。
 次に、卵の横っ面を叩いてひび割らせます(円周全て)。そして、スプーン(大)を使 って、卵全体を真っ二つに割ります。くれぐれも殻の欠片が中身に入らないように慎 重に。ここで、汁が溢れ出たら、また口で吸い飲みます。
 あとは、殻を持って、中身をスプーンでくり抜いて食べるわけです。中身を見てしま ったら、日本人なら食べられないでしょうネ。
 実際に食した感想ですが、とにかく濃厚な味のゆで卵です。固い感じとか、毛羽だ った感じは一切ありませんでしたよ。
 フィリピンでは、この「バロット」が滋養強壮の栄養食として広く有名です。「ゲテモ ノ」といった感覚は全く持たないで、みんな普通に食べています。そういえば、日本語 で書かれている何かで(ガイドブックかWEB上で)、
 「バロットは心臓の弱い方や子供は試さないでください。まして、普通の卵に混ぜて 他人を驚かすような行為は止めましょう」
と、注意書きを見たことがあります。




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