ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
路上の物売り(マニラ・フィリピン共和国) 2005/10/30
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深夜1時。ニイノ・アキノ国際空港からタクシーで市内のホテルに向かう。深夜にも
かかわらず、マニラ市内の交通量は多い。当然、信号待ちで停車することは頻繁で
ある。
そんな時、すかさず車の列に入り込んで、物を売る輩が現れる。新聞だったり、飲
料水だったり、果物・パンと、売り物の種類は豊富だ。
深夜という時間帯を考えてみれば、非常に驚くべき事実も存在する。売り子の大
半が子供なのだ。日本の学校制度で言えば、小学生以上の年頃である。男の子は
勿論、女の子もいる。服は汚く、皆裸足である。髪はボサボサで、排気ガスで顔や手
が煤けている。大人のベンダーと比べて、小さい体がハンデとなる。コンパクトで軽
い売り物が適しているのだろうか、子供らの売り物には煙草が多い。
気になる点は売り上げだろう。自分は、こうした輩から物を実際に購入した経験は
ないが、それなりに売れているようである。渋滞中に、隣や前の車で商売が成り立っ
た光景を目にすることがよくある。現に、この時も、私の乗ったタクシーの運転手が
ウインドーを開けて煙草1本を購入した。自動販売機が一機も無い国において、必
要不可欠な商売なのだろう。
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