ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
続・地上の楽園(マニラ・フィリピン共和国)後編 (丁) 2005/10/22
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(後編 丙より)
どうしても解決したい疑問があった。矢沢永吉似のオヤジの身分である。以前か
ら、彼はマスターかマネージャーのクラスではないかな?と、想像していたのだが、
私の思惑は外れていた。ジャッキーに聞いてみたところ、彼は只のスタッフということ
だ。この店のカラオケ・マシーンは、日本で15〜20年前に主流だったレーザー・ディ
スク方式である。彼は、リクエストを順にマシンに投入する任務が主な仕事のようだ
った。
日付が変わった。もう3時間も延長延長でズルズル行ってしまった。サイフの中身
が心配な状況である。
また、小腹が空いてきた。今度は1個10ペソ(22円)のゆで卵をみんなにおごること
になった。このゆで卵はフィリピンの特産かもしれない。他の東南アジアの諸国でも
経験したことはない。チョット普通とは違うのだ。表現が非常に難しいが、要はヒヨコ
に限りなく近い状態の有精卵を茹でた卵なのだ。当然、ヒヨコの顔も羽も足も全て視
覚で確認できてしまう。が、見た目とは一変して、味は濃厚で病みつきになる美味し
さである。
来店後4時間が過ぎた。これ以上の延長料金は無いというので居座ることにした。
成田への帰国便は明後日の早朝だから、明日(今日)はホテルの部屋で寝て過ご
せばいいのだ。今度はピザをオーダーした。
1時間が経過したが、一向にピザがテーブルに運ばれてこない。
「まだ?」
と催促するが、
「今作っているところ」
の答えしかカウンターからは返ってこない。でも、全くキッチンで作業している様子が
ないから面白い。
暫くして、ピザがテーブルに運ばれてきた。しかも箱入りで。私が箱を開けると、円
形のピザの1/4部分が欠けていた。断片で言えば丁度2片が消えている。カウンター
内部で細工したのは明白だし、それが面白くてひとりで笑ってしまった。そして、残り
のピザも、ものの数十秒余りで視界から消えた。
勘定は合計8000ペソ(17,600円)だった。値切って7000ペソにしてもらい、1000ペソ
をチップとして置いてきた。矢沢永吉にも500ペソ(1100円)のチップを手渡した。スタ
ッフ全員で見送られて、店外へ。
「また来てね」
との問いに私はこう答えた。
「3年後にまた逢おう」
(完)
最後に「Black & Silver」の特徴を記して、本コラム終了とさせていただきます。尚、
他の類似店での経験は一切ありませんので、比較検討の余地はございません。
1) 女の子(タレント)は色白・美人が多いです。オーバー30歳は2人くらいでしょう
か。
2) チラシを紛失してしまいましたが、60分1000ペソ/人、フリードリンク、指名料・
レディードリンク無料。遊び方にもよるけど、ひとり1万円の予算といったところでしょ
うか。日本の外人パブやクラブと同等です。
3) カラオケの性能は完璧なまでに良いです。この日はマイクの線切れがあって雑
音在りましたが。
4) ダンス曲は長渕の「しゃぼんだま」と布袋の「ラストシーン」です。
5) 同伴可です。経験無いので、コスト等の情報は解りません。
6) 2人以上で行くなら英語話せなくても大丈夫かな? 単独じゃキツイです。
7) みんな親日家です。といってもカネを落とすカモですから。95%以上が日本人の
客層です。
8) 2回とも店内はガラガラでした。今回も4人連れの日本人のおじいちゃん連中が
1時間ほど遊んで帰って行きました。
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