ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
金融恐慌?(パングラオ島・フィリピン共和国)−その1− 2003/02/23
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日本製プロペラ旅客機YS11は私より先輩だ。昭和30年代に製造され、当時の日本
の旅客輸送に大貢献した。その後アメリカ製ジャンボ機の登場でYS11は沖縄の離
島などでしかその姿が見られなくなった。それをも数年前から小型ジェット機に譲り、
国内からは完全に消えた。▲マニラ発パングラオ行き ASIAN SPIRITS航空は一日
1便、約1時間の空の旅である。キャンセル待ちでチケットを購入したので、定員の
数が気になり職員に問い合わせたところ、60名ということだった。「随分小さな飛行
機なんだね」と皮肉混じりで尋ねると、搭乗手続きカウンターの若い女の子はニコニ
コしながら答えた「それでも我が社では1番大きい飛行機なんです」と。▲何とか搭
乗の許可がおり、バスで滑走路の端まで運ばれると、そこには懐かしいYS11の勇姿
が横たわっていた。何十回と塗られ直したペイントの跡、機内には「禁煙」「非常口」
といった日本語の表記が未だに残っている。そしてボロボロになったシートから臭う
何やらカビのような尿のような悪臭。それでもやかましい唸り音で精一杯プロペラを
回し、YS11は元気よく飛び立った。今でも現役で活躍するその姿にただ感動した。
(写真:パングラオの市街にて)−その2に続く−
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