ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です
金融恐慌?(パングラオ島・フィリピン共和国)−その2− 2003/02/23
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実はその前夜はホテルの運転手を連れてマニラのカラオケスナックでオールで飲ん
だ為にペソの現金がない。朝いちのフライトではマニラでどうすることもできず、無銭
のままとうとう田舎町のパングラオまで来てしまった。空港にタムロしていたトライシ
クル(バイクにサイドカーを付けた3輪のタクシー)をつかまえ、クレジットカードでキャ
ッシングをするために街に向かわせた。ところがどこの銀行の前にも長蛇の列。機
械の故障か停電かと思い、立っていたガードマンに尋ねると、何とその答えは「Out
of cash」つまり現金切れ。午後になれば入荷されるというが、まだ午前10時を回っ
たところ。今日はあきらめて明日再度トライすることでこの日は予約していたホテル
に向かった。▲「今日こそ現金獲得を」と強い信念を持って、その翌日は朝食後すぐ
にホテルのバイクを一日借り切って街に繰り出した。実はドル紙幣なら1000ドルば
かりの持ち合わせはあったのだ。それらを街の両替所に持ち込めば、当面のペソ
は入手できる。しかし今回の旅には後半一週間にベトナムの旅程も予定している。
社会主義のベトナムでは銀行はおろか、両替所もそう簡単には見つけられまい。そ
んな予知・予見をあらかじめしての行動だった。▲昨日より1時間早い午前9時に銀
行前に到着する。が、昨日同様に長蛇の列。相変わらず現金が不足しているよう
だ。そういえばオーストラリアでも年金支給日の2週間に一度の特定の日には銀行
前に長蛇の列ができていた。とはいっても、単純に機械や窓口の処理能力がいつも
よりも遅いだけで、ものの10分も列に並べばちゃんと自分の順番は回ってきた。と
ころがここパングラオでは違う。ピタリと止まった順番がいつまでも変わらないのであ
る。▲道路まで続く列の最後尾に私もならぶと、私の前に並んでいるのは金髪・青い
目の若い西洋人女性だった。−その3に続く−
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