ルポタージュ「KAIGAI」
私が海外で体験した海外四方山話集です

 
金融恐慌?(パングラオ島・フィリピン共和国)−その3− 2003/02/23
順番待ちは長期戦になりそうなので、暇つぶしにこちらからその西洋の女に話しか けてみた。「CDマシーンは一台しかないのですかね」と私。「一台しかないけど、それ も完全に止まっているみたい。きっと中で(お札を)印刷してるのよ」と、彼女。すごくく だらないジョークだった。「フッ」と笑うしかその時の私はリアクションの取り方が思い 浮かばなかった。▲彼女はドイツ人。「マーケッティング・リサーチ」の仕事でマニラに 2週間滞在した後、ここパングラオに移ったと言う。どうも日本人である私を見下した 話題が多く、通りを走るトライシクル(前述)を指さして、「あなたの国にもあんなの走 ってるの?」などと質問してくる。列に並んでから1時間位が経過した頃、彼女が世 話になっている宿のベトナム娘が彼女を迎えに来た。会話は英語だったので、私に もその内容が解った。「まだ待ってるの?」と宿の娘。「うん、きっと中で印刷してるの よ」とドイツ女。私の時と同じジョークだった。どう答えるのか、その反応に私は興味 津々であったが、宿のベトナム娘はただ「フッ」と笑って答えただけだった。▲結局並 んでから2時間後、午前11時に我々の番が回ってきた。最初にドイツ女。キャッシュ コーナーから戻ってきたのは約5分後。「私のカードはここでは使えなかった。きっと あなたのもよ」と、捨てぜりふを吐いて私の元から立ち去った。確かに有名な「VISA」 「MASTER」のカードが使える表示は一切ない。しかし「JCB」のステッカーは目立つく らい派手に貼られている。ここは仮にも日本の影響を及ぼすアジアの国。西欧には まだまだ負けていられない。▲それにしても町が現金不足になるって、いかなる理由 なんだろう。この島のホテルをチェックアウトする際にカード払いは30%増しと告げ られた。普通は3%から5%だ。なんでもカード代金を銀行で現金化するのに余計な 手間がかかるからだとか。




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